君がくれたもの―LAST LOVE―
「自分の大事な妹が死んじゃうかもしれないなんて…最初は何かの冗談だと思ってた…でも…日に日に弱っていくあの子を見てたら…何も出来ない無力な自分が情けなくて…」

「うん…………うん………」
相槌を打ちながら真剣な眼差しで聞いてくれる。

「あたしね…何でも持ってるあの子が羨ましかった。頭も良くて、スポーツも出来て。綺麗で、優しくて。たまに、ズルいって妬んだ事もあった。」

「……うん…」

「でも…あの子はあの子で。何があっても大切なものなの。たった1人のあたしの妹。たった1人の血の繋がった姉妹なの。そんなあの子を死なせたくない…っ…!!!」

「……だから。…大丈夫だから。絶対俺があいつを守ります。だから、綾さんはいつもの綾さんでいて下さい。」

「…え!?」

「…あ、でも1人で抱え込んで泣くのは許さないっすよ? 泣きたい時に泣くこと。…分かった?」

「…は、はい。………………は?」

「よし、決定」
そう言って口角を上げる蓮。

生意気。だけど、あたしは……あたしは
…こいつが好き。
でも、絶対誰にも言えない。
もちろん優花にもこいつにも。
これは墓場まで持って行くつもり。
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