君がくれたもの―LAST LOVE―
それからしばらくして、診察室から優花達が出てきた。
思わず立ち上がる俺と綾さん。

「…………」
5人の間に沈黙が流れる。
先に沈黙を破ったのは俺。

「…どうだった!?」

「明後日入院する事になっちゃった」
眉を下げて悲しそうに微笑んだこいつ。

「そうか。…それなら良かった。」

「…ねえ、蓮。あの…さ、私達やっぱり…」
「…別れねえよ?
離してたまるかよ。やっと通じあったんだ。お前が何て言おうと俺は別れねえよ。」

「…蓮…」

「俺はお前を手放すなんて無理だ。
お前は自分の為に生きろ。
家族のために生きろ。
将来俺と結婚して子供に囲まれて、温かい家庭作れるように生きろ。
俺はお前を死なせたりなんかしねえ。俺がお前を守る。約束する。
だから、お前は何も心配するな。
お前にも美幸さん達とも約束したんだ。」

「……蓮……あた…し…死にたくない…死にたくないよ!」
そう言いながら涙を流すこいつ。
それがまた愛しくて、思わず抱き締める。
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