君がくれたもの―LAST LOVE―
病室に入るとあいつは寝ていた。
なんだ、ちゃんと寝れてたのか。
あいつがちゃんと寝ていた事に安堵して
そっと椅子に腰をおろす。

スースーと寝息だけが聞こえる病室で
俺は静かに唇を重ねた。

「……ん……」

(やべ、起こしちまったか?)
そんな焦る俺とは裏腹に、起きない優花。

いつかこいつの病気が治って
結婚して子供作って
そんな幸せな家庭を築いていきたい
と、ふいに思った。

「…好きだ…」
ボソッと呟いてみた。

相変わらず反応のないこいつ。
いつまで寝てんだ、なんて思いながら
そっと頬を撫でる。

結局夕食の時間まで起きることはなかった。
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