妖(あやかし)狩り・弐~右丸VSそはや丸~
序章
 東三条邸の端っこ、車宿りの辺りで、この屋敷の主・藤原 頼長に仕える牛飼い童・右丸(うまる)は、辺りの掃除をしながら、ぼんやりと北のほうを眺めた。

「呉羽(くれは)様は、どうしているかなぁ」

 ぽつりと呟き、彼は数ヶ月前に会った外法師の少女を想った。
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