妖(あやかし)狩り・弐~右丸VSそはや丸~
終章
蓮台野に帰り着くと、屋敷の前で呉羽が待っていた。
闇に浮かび上がる巫女姿の呉羽の姿を認めた途端、そはや丸は、ほっと息をつく。
自然と口角が上がっていることに気づかないまま、そはや丸は大股で呉羽に近づいた。
「ご苦労。上手くいったようだな」
「ったり前だろ。俺を何だと思ってる」
ふん、と鼻を鳴らし、抱えていた包みを呉羽に押しつける。
呉羽は受け取った包みを少し開き、中を覗き込んだ。
「烏丸。出られたんだな」
布に包まれた烏丸は、まだのびている。
烏にしては大きいが、見た目はまるっきり只の烏の形だ。
「ふぅん。烏天狗のわりに、只の烏にしか見えんな。小さいからか?」
呉羽は屋敷に入り、座り込んだ膝の上に烏丸を置いて、まじまじと見た。
よいしょ、と抱え上げ、隅々まで検分する。
「怪我はないようだな。そはや丸、お手柄じゃないかぁ。お前も怪我さすことなく、妖を助けることもできるんだな」
烏丸を両手で抱え上げたまま、呉羽が嬉しそうに言う。
そのそはや丸は、帰ってくるなり厨で水瓶に貼り付いている。
闇に浮かび上がる巫女姿の呉羽の姿を認めた途端、そはや丸は、ほっと息をつく。
自然と口角が上がっていることに気づかないまま、そはや丸は大股で呉羽に近づいた。
「ご苦労。上手くいったようだな」
「ったり前だろ。俺を何だと思ってる」
ふん、と鼻を鳴らし、抱えていた包みを呉羽に押しつける。
呉羽は受け取った包みを少し開き、中を覗き込んだ。
「烏丸。出られたんだな」
布に包まれた烏丸は、まだのびている。
烏にしては大きいが、見た目はまるっきり只の烏の形だ。
「ふぅん。烏天狗のわりに、只の烏にしか見えんな。小さいからか?」
呉羽は屋敷に入り、座り込んだ膝の上に烏丸を置いて、まじまじと見た。
よいしょ、と抱え上げ、隅々まで検分する。
「怪我はないようだな。そはや丸、お手柄じゃないかぁ。お前も怪我さすことなく、妖を助けることもできるんだな」
烏丸を両手で抱え上げたまま、呉羽が嬉しそうに言う。
そのそはや丸は、帰ってくるなり厨で水瓶に貼り付いている。