妖(あやかし)狩り・弐~右丸VSそはや丸~
「きゃあぁぁ~~お姉さんっっ!!」
呉羽の膝から転がり落ちた烏丸が、悲鳴に似た声を上げる。
「ああ、すまんすまん」
そはや丸から顔を離した呉羽が、床に転がる烏丸を抱き上げた。
何も烏丸が上げた悲鳴は、転がり落ちたためではない。
呉羽が全く抵抗無く、自らそはや丸に接吻したことへの叫び声だ。
呉羽に抱け上げられ、烏丸は再び膝に乗りながら、ちら、とそはや丸を見た。
そはや丸も、少し驚いたような顔をしている。
「どうだ? ちょとはマシになったか?」
先と変わらぬ自然さで、呉羽がそはや丸に言う。
「・・・・・・ああ」
ごろりと、そはや丸は背を向けた。
それは良かった、と、呉羽の明るい声がする。
この胸の疼きは何なのだ。
そはや丸は寝転がったまま、身体を丸めた。
右丸のように、顔が赤くなったり、鼓動が跳ね上がったりすることはない。
そはや丸は物の怪だ。
人型はあくまでかりそめ。
本来の姿は刀である。
だが、そはや丸はほとんど人型で過ごしている。
姿だけでなく、生活態度もほぼヒトと変わらない。
寝ている間はいざというときのために刀になるが、それ以外では、普段はほぼ人型だ。
そはや丸は、思考の深みに入っていく。
わざわざ人型で生活しているのは、呉羽のためではないのか。
呉羽が寂しくないよう、わざわざヒトとして傍にいるのではないか。
呉羽の膝から転がり落ちた烏丸が、悲鳴に似た声を上げる。
「ああ、すまんすまん」
そはや丸から顔を離した呉羽が、床に転がる烏丸を抱き上げた。
何も烏丸が上げた悲鳴は、転がり落ちたためではない。
呉羽が全く抵抗無く、自らそはや丸に接吻したことへの叫び声だ。
呉羽に抱け上げられ、烏丸は再び膝に乗りながら、ちら、とそはや丸を見た。
そはや丸も、少し驚いたような顔をしている。
「どうだ? ちょとはマシになったか?」
先と変わらぬ自然さで、呉羽がそはや丸に言う。
「・・・・・・ああ」
ごろりと、そはや丸は背を向けた。
それは良かった、と、呉羽の明るい声がする。
この胸の疼きは何なのだ。
そはや丸は寝転がったまま、身体を丸めた。
右丸のように、顔が赤くなったり、鼓動が跳ね上がったりすることはない。
そはや丸は物の怪だ。
人型はあくまでかりそめ。
本来の姿は刀である。
だが、そはや丸はほとんど人型で過ごしている。
姿だけでなく、生活態度もほぼヒトと変わらない。
寝ている間はいざというときのために刀になるが、それ以外では、普段はほぼ人型だ。
そはや丸は、思考の深みに入っていく。
わざわざ人型で生活しているのは、呉羽のためではないのか。
呉羽が寂しくないよう、わざわざヒトとして傍にいるのではないか。