未来Magic

「…つまり、整理するとだな。お前、自分の事と他の人の事全然覚えてないと」
「…うん」
「…そっか」
私が答えると、來は少し寂しそうに目を細めた。
私と來の間に、何かあったのかな?

「…お前の名前。俺が決める」
「…え。えええええ!?」
「麗な。麗。…麗」
麗…か。
しっくりくるような…。
まあ、いっか。

「わかった、來、これから宜しくね!」
「ああ!…んで。麗は記憶戻したいわけ?」
い…いきなりお前から麗に変えられると恥ずかしい…。

「…え…えと…その…」
來の事思い出したいけど、辛い事とかあったら私は…。
…――耐えられないかもしれない。

來に迷惑かけたくないもん。
「いい、自分で思い出す」
「…わかった。じゃ、明日出発だから」
「…はい?」
< 6 / 22 >

この作品をシェア

pagetop