電網自衛隊
数分後内閣総理大臣の執務室に強引に押し掛けた都知事は、相手の胸ぐらにつかみかからんばかりの勢いで詰め寄った。
「総理!なぜ自衛隊を出せないんだ!これはもう災害も同じだろう!世田谷区にまで信号機の異常は広がって、交通事故の件数は数え切れない。都心に広がるのは時間の問題だ」
「しかし都知事……」
総理大臣はハンカチで顔の汗をぬぐいながら弱々しく答える。
「今確認させましたが、今回のような事態は自衛隊の災害出動のどの要件にも当てはまりません。それにご存じでしょうが、自衛隊への出動命令は事後に国会の承認が必要です。そこで不承認の決議が出されたら……」
「私には都民の生命財産を守る義務があるんだ!総理、あなたは国民を守っているんですか、それとも法律や前例を守っているんですか?」
「総理!なぜ自衛隊を出せないんだ!これはもう災害も同じだろう!世田谷区にまで信号機の異常は広がって、交通事故の件数は数え切れない。都心に広がるのは時間の問題だ」
「しかし都知事……」
総理大臣はハンカチで顔の汗をぬぐいながら弱々しく答える。
「今確認させましたが、今回のような事態は自衛隊の災害出動のどの要件にも当てはまりません。それにご存じでしょうが、自衛隊への出動命令は事後に国会の承認が必要です。そこで不承認の決議が出されたら……」
「私には都民の生命財産を守る義務があるんだ!総理、あなたは国民を守っているんですか、それとも法律や前例を守っているんですか?」