電網自衛隊
二人は隊長とともにブリーフィングルームに入り、隊長は鍵のかかった引き出しから10センチ四方ほどの箱を取り出して蓋を開け、ふたりに中を見せた。そこにはUSBメモリースティックが10本並んで入っていた。
「これはサイバー戦での反撃用プログラムだ。使用の許可はまだ出ていないが、今から準備だけはしておいた方がいいだろう」
重々しく言った隊長に山口があわてた声で言う。
「お言葉ですが、隊長。これは防衛出動命令がないと使用出来ない物では?」
「もちろん私の独断だ。それに使うと決めたわけではない。あくまで使用の許可が出たらすぐに使えるように準備だけはしておけ、という意味だ。私はこれから大臣と首相官邸に行って来る。防衛出動の件を話し合うためだ。それまでに君たちでこれの使用準備をし、しかし絶対にまだ使うな。いいな?」
山口は立ちあがって直立不動の姿勢になった。昇二もあわててその横で同じ姿勢を取る。山口は短く敬礼しながら小声で言った。
「命令、拝領しました!」
「これはサイバー戦での反撃用プログラムだ。使用の許可はまだ出ていないが、今から準備だけはしておいた方がいいだろう」
重々しく言った隊長に山口があわてた声で言う。
「お言葉ですが、隊長。これは防衛出動命令がないと使用出来ない物では?」
「もちろん私の独断だ。それに使うと決めたわけではない。あくまで使用の許可が出たらすぐに使えるように準備だけはしておけ、という意味だ。私はこれから大臣と首相官邸に行って来る。防衛出動の件を話し合うためだ。それまでに君たちでこれの使用準備をし、しかし絶対にまだ使うな。いいな?」
山口は立ちあがって直立不動の姿勢になった。昇二もあわててその横で同じ姿勢を取る。山口は短く敬礼しながら小声で言った。
「命令、拝領しました!」