銀の竜の蜜恋
旅立ちの朝
「…………」
驚きに目を見開き立ち尽くす
「やあ」
朗らかに微笑む幼馴染み
一体全体どういうことだろうか
我がこの家を抜け出して旅にでることはへんた…この幼馴染みにも言ってなかったのに何故当たり前の様に人の家の玄関口に存在しているんだ?
「リッツ、僕に黙って行くなんてどういうつもり?」
そう聞く目の前の男はこのシェラール国の王子様だ
黙っていれば彼のプラチナブロンドヘアは上品で美しくまた彼のうちに秘める繊細さを際立たせ、長いまつ毛の奥の真っ青の空色の瞳は見るものを蕩けさせる………らしい、
このまえ宮殿に呼ばれていた人気の吟遊詩人が言っていた
こいつの本性を知っている我からしたら全くもって理解しがたい内容だ
ライン・シェラール・ガイアールは優しい善人の皮を二重被りした腹黒変態竜である