俺様彼氏とあたしの未来。
「亜香里、ちょっと。」



卒業式が始まる前に亜香里を連れて空き教室に入った。



「なに?」

「懐かしくね?」

「懐かしいね。蓮司があたしの初キス奪ったとこだ♪」

「もう1回させて?」



あの空き教室でまたキスをした。



「まさか浮気とかしねぇよな?」

「しないよ。」

「させねぇけど。」



何回もキスをした。



「寂しくなったら電話しろよ?」

「うん…。」

「絶対成功してくる。」

「しなかったら許さない。」

「距離は離れたって心は離さねぇから。」

「あたしも離さないよ。蓮司は死んでも離さない…。」



亜香里は泣くのを我慢してる。



いつの間にこんなに強くなったんだろう。



「行ってくる。」

「行ってらっしゃい♪」



俺たちは時間ギリギリまで抱きしめ合った。



俺たちの始まった空き教室で。



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