無敵草食獣王子の憂鬱。真実の愛を繋ぐ強く堅い絆は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
うっひゃひゃ~~
気持ちイイぜ!!
俺はアイツを乗せて、ご機嫌に走った。
アイツが一緒なら。
競馬場に敵は無かった。
今まで、唯一。
勝てなかった、ライバル馬のカチヌケレジェンドにさえ。
何馬身も差をつけて、ゴールができた。
どのレースにおいても、俺たちの前を走る馬は、一頭たりともなく。
俺たちの後からのたのたやって来る馬は皆カタツムリでしかなかった。
あの、運命の日が来るまでは。