無敵草食獣王子の憂鬱。真実の愛を繋ぐ強く堅い絆は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
そのつもりで、軽くいななけば。
野郎は、ちょっと笑って、俺の背に乗って来やがった。
……げ。
やっぱり、こいつ重い!
本当は、俺達馬の背に乗る騎手は、体重調整しているし。
軽いヤツは、なんか重りをつけて乗るから、実は誰が乗っても、同じはずなのに。
コイツの重さは、いつだって、一味違うぜ!
けれどもヤツのヒトより重い体重は。
俺にとって、勝利へ導く『安心感』だから、そんなにイヤじゃなかった。