無敵草食獣王子の憂鬱。真実の愛を繋ぐ強く堅い絆は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
 前の、せっぼっちの騎手が、やたらと鞭を使いたがったのは。


 自分に俺を抑え込む力がないと、自覚していたからだ。


 それで、今回、さらに力の弱い女を選ぶとは!


 これは、絶対。


 俺をコンビーフにして喰おうと思っているヤツが、どっかにいるに違いなかった。


 しかも。


 俺への近づき方から始まり、馬装具の点検に至るまで。


 何だか、素人くささ丸出しだ。


 試しに突然。


 歯をむき出して脅してみたら、キャーとか言って大きく一歩下がりやがった。


 どうやら、競馬ガッコとかって言う場所の、出たてらしい。





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