無敵草食獣王子の憂鬱。真実の愛を繋ぐ強く堅い絆は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
そして、次の日。
彼女はもっと変なモノを持って来やがった。
「ききみみまがたま~~」
……はぁ?
なんだそりゃあ……?
何かの必殺技みたいに、堂々と手を上げ、俺に見せびらかしたのは、やけにきらきらと輝く、玉だ。
彼女は、そいつをずんっ、と近づけると、俺の目を見て話しかけて来やがった。
「ねぇ、ストラップスター?」
『……んだよ、うっせーな』
「きゃー!
ご先祖様、ありがとう!
私、ストラップスターの言っているコト、判るわ!」
なんだと!?
『それを使うと、人間でも、俺の話が判るのか!?』
「そうよ!」
うぉぉ、そいつぁ、すげーぜ!
彼女の元気一杯の声を聞いて、俺は、なるべく彼女の近くに寄った。