無敵草食獣王子の憂鬱。真実の愛を繋ぐ強く堅い絆は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
 
 今度の騎手と上手く行かなかったら、コンビーフになるって?


 別に。


 死ぬこと自体は、さほど怖く無かった。


 ただ。


 自分の持てる力を出しきれずに、むざむざと。


 勝負に負けるのだけは、嫌だった。


 だけども。


 小春は、小春なりに頑張っては、いるんだよなぁ。


 だから、これと言って、積極的には文句は、言えねぇし。


 どうしても息が合わねぇし、で。

 思わず。


『なあ? リョウは、元気なのか?』


 と、つぶやけば。


 小春はあからさまに、ドキッとした顔になった上。


「そんなの、私が知りたいわよ!」


 なんて。


 怒鳴った応えが、泣きそうだった。



 ……あ~~あ。





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