無敵草食獣王子の憂鬱。真実の愛を繋ぐ強く堅い絆は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
やってられねぇぜ!
とため息をついたら、小春が、ぐぃと睨みやがった。
「でっかい、ため息!
どっちかって言うと、私の方が、つきたいわよね!」
コイツの方も、俺になんか、不満があるらしい。
無視しても良かったが、また泣かれても面倒だ。
なんだよ? と、問えば。
小春は、思い切り、顔をしかめて言った。
「……なんで、アンタは、わたしに心を開いてくれないのよ!」
『ああ?』
心だって? そんなモノ!
『俺達の意志疎通、とかって言う奴は、ばっちり、じゃなかったのか?
そのききみみまがたま、って言う奴で。
てめぇの考えているコたぁ、ダダ漏れだって嘆いてたんじゃねぇか?』
「いまいましいけど、わたしの考えは、漏れているんでしょうけれど!
アンタの考えていることなんて、ちっとも判んないわよ!」