無敵草食獣王子の憂鬱。真実の愛を繋ぐ強く堅い絆は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
本当は。
……本当は。
デブだろうが、多少カッコ悪かろうが。
俺のコトをちゃんと理解して、翼をくれたリョウのコトを愛してる。
愛してる。
愛してるんだ!!!
けれども。
身を焦がすほどに募る、初めて気がついた自分の心は押し隠すしかなくて。
必死についたウソに、どうやら小春は騙されてくれたようだった。
俺の剣幕にびびったらしい。
小春は、思わず出て来たらしい涙をぐしっと拭いた。
「判ったわよ!
でも、私なら、絶対!
何があってもあんたを見捨て無いから!」
私は、お兄ちゃんと違うから!
……と。
元気に、腕をまくり出した小春に、俺は、心の中で、頭を下げた。