無敵草食獣王子の憂鬱。真実の愛を繋ぐ強く堅い絆は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
「アンタ、緊張感全くないわね!」


 なんて、小春が呆れて言ったけど。


 それは、お前を。


 お前たち兄妹を乗せてるから、ってことは、例え、まがたまが返って来ても、秘密だ。


 今までの騎手を乗せていた時は、必ず、二、三人は蹴り倒していた整馬係の指示を、至極冷静に聞いて。


 俺にしては、おとなしく、スターティングゲートに収まった。


 そして、ガシャリと、緊張感が、後ろ扉を閉め……


 息を合わせた、その瞬間!


 ガシャ!!


 っと視界が開けた。



 俺と、小春の戦いが、始まったんだ!


 
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