無敵草食獣王子の憂鬱。真実の愛を繋ぐ強く堅い絆は風になって走ること。運命をかけたゴールはすぐそこだ!
 確かに……


 確かに。


 背中に負った重量は、相当なもんだった。


 けれども、指示が的確だったんだ。


 例えば、カーブの入り際はスピードを落として、出がけに差せだとか。


 馬同士が近すぎて、混戦している時に。


 インとアウトのどちらから入ったら、走りやすいか、とか。


 そのほかもろもろ。


 細かいところまで、ヤツが何を考えているのか。


 背中に乗ってるだけで、言葉なんぞ使わずに判ったし。


 何よりも、めったに鞭を使わない所が、良かった。


 そして、結果。



 
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