姫は救うと微笑み、神は殺すと無邪気に言った
生の寄る辺は神の意思へ
(一)
死にたいのに死ねない自殺志願者はよくいるものだ。
理由であげれば、死ぬとき痛いからとまだ感じぬ痛みに恐れをなして、手にした刃を首に刺せないでいる。
それが茶神(さがみ)には何たる愚かと思え、同時に遊べる玩具と思えた。
生から死の成り変わりにより、人はいくつもの感情を見せる。
やっと死ねると微笑む者あらば、まだ死にたくないと懇願する者も。
紫神(しがみ)という殺害請負人のオーナーとなってから、茶神は多くの“深淵にある感情”を見てきた。
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