姫は救うと微笑み、神は殺すと無邪気に言った

「理解に苦しむ。所詮は、“他人事”だろうに。ピエロを見て楽しむことはあっても、その内にある心情まで目を傾けて何になる？楽しみの半減だ。自身以外のモノなど、“見て楽しむ”ものでしかないのに」


「見て心を痛めることでさえありますよ。命を絶つまでの苦悩を背負うだなんて、手も差し伸べたくもなります」


「ならば、とある話をしよう。ギャンブルで散財をし、借金を重ねた男がいた。借金が返せなく、何より大好きなギャンブルもできなくなったと自殺すらも考える男。君ならこの男を助けると言いそうだが、この男が助かるには金だ。一生遊んで暮らせるほどの金がなければ、男はまた“自殺したいと嘆く”。

聞くからに愚かだ。そんな自業自得にまで、果たして君は可哀想と思えるのかな？」