君音(短編)
君音




静まり返った
夜の教室。

あるのは、二つの陰。





「おれ、葵(あおい)のこと
すきだよ?」







「そんなわけ・・・
ないじゃん!
嘘いっても
あたし信じないよ?」













「・・・嘘じゃねえよ」







「・・・・・・・え?」










拓杜(たくと)の
細くて長い腕が
あたしを絡んで
離さない。
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