無口な彼が残業する理由 新装版
もう少し、もう少し。
そう思いながら作業を続けて、
ついに完成した新しい企画書。
今回は青木にも手伝ってもらったし、
若作り課長のお眼鏡に……いや、チャラメガネにかなうだろうか。
カラーでプリントアウトして、
ファイルに閉じて、
課長のデスクの目立つ場所に置いた。
今度こそ、お願いします。
時計を見ると、もうすぐ12時になろうという時間だった。
「帰ろう」
飲み会の後とはいえ、やり過ぎた。
でもそのお陰で企画書が完成したし、
明日は休みだし、
まぁいいか。