無口な彼が残業する理由 新装版
「よく頑張ったな」
課長の言葉に、目頭が熱くなる。
「この企画書で、申請を出したいと思う」
夢のステップをひとつ、
上ることができた。
「ありがとうございます!」
私の企画が課長の厳しい目をクリアしたのだ。
「やった! やったよ青木!」
手伝ってくれた青木に駆け寄ると、
青木も飛びっきりの笑顔で
「当たり前だろ、俺が手伝ったんだから!」
と減らず口を叩く。
私は完全に浮かれていて、
青木の言葉さえも嬉しかった。
なのに。