無口な彼が残業する理由 新装版
「おつかれー」
夕方、私は青木とジョッキをぶつけ合う。
企画が通ったお祝いだ。
「ほんと、神坂はよく頑張ったよ。俺もだけど」
「本当に感謝してます」
「失恋にもめげず、合コンの誘いにも乗らずに頑張ったからな」
いやいや、本当に。
青木が手伝ってくれなかったらここまで上手くはいかなかったと思う。
「というわけで」
青木はジョッキを置き、
私を見据えた。
「今夜付き合え」
「は?」
今こうして付き合ってるじゃない。
「俺のベッドに」
……感謝の気持ちが吹っ飛んだ。
「そんなに嫌な顔することないだろ」