無口な彼が残業する理由 新装版
無口で無表情で無愛想。
だけどたまに笑う君。
丸山くんが笑顔を見せてくれるだけで
私はすごく嬉しい気持ちになれた。
「これ以上やると、この後の仕事に響く」
ということで、丸山くんはやっと私から離れた。
「あーあ、泣きすぎてメイクがボロボロだ」
プレゼンのためにバッチリメイクだった私は、
好きな人を目の前にとんでもない顔を晒している現実にため息をついた。
やっぱり丸山くんには情けないところばっかり見せている気がする。
「いつもとそんなに変わらないけど」
「どういう意味?」
私の化粧はいつも崩れてるってこと?
確かに、多少崩れても気にしないけどさ。