無口な彼が残業する理由 新装版
丸山くんは部屋に入るなり強引に私をベッドに下ろして
感情をぶつけるようにキスをしてきた。
これがどんな展開であるかくらい、
恋愛がご無沙汰な私にだってわかる。
「もうって、来たばっかじゃん」
付き合うことになって数時間しかたってないし
シャワーすら浴びてないし。
心と体の準備が整っていない。
「あのな」
丸山くんは得意のポーカーフェイスで私を見つめた。
ただ、手だけは服を脱がしにかかっている。
「俺がどれだけお預け食らったと思ってんの」
言い終わったらすぐに私の口を塞ぐ。
強引な仕草も、私の胸を熱くした。