無口な彼が残業する理由 新装版

丸山くんは部屋に入るなり強引に私をベッドに下ろして

感情をぶつけるようにキスをしてきた。

これがどんな展開であるかくらい、

恋愛がご無沙汰な私にだってわかる。

「もうって、来たばっかじゃん」

付き合うことになって数時間しかたってないし

シャワーすら浴びてないし。

心と体の準備が整っていない。

「あのな」

丸山くんは得意のポーカーフェイスで私を見つめた。

ただ、手だけは服を脱がしにかかっている。

「俺がどれだけお預け食らったと思ってんの」

言い終わったらすぐに私の口を塞ぐ。

強引な仕草も、私の胸を熱くした。

< 225 / 382 >

この作品をシェア

pagetop