無口な彼が残業する理由 新装版
昼間はあんなにムカついたり嫉妬したりしていたのに、
今この瞬間、それを全て忘れてしまったかのように全身で幸せを感じる。
ズルいよ、丸山くん。
私ばっかり手のひらの上で転がされているみたい。
だけどこの幸せをくれるのなら、
それもいいかもしれない。
自分の感情をコントロールするのは難しいけれど、
堪えた後、幸せに浸れるなら。
「ねえ、青木と何話したの?」
「内緒」
甘いキスをくれるなら。
私だけに、ね。