無口な彼が残業する理由 新装版
気付けば私もすっかり眠っていて、
二人して焦りながら新幹線を降りた。
今日は梅田のビジネスホテルを予約しているけれど、
チェックインするには少し早い。
泊まりの荷物をコインロッカーに押し込んで、
その辺にあったとん平焼き屋さんで昼食を取り、
いざ、営業先の企業へ。
緊張する私を
「らしくねーな」
と笑う青木を頼もしく思った。
「失礼します。SK企画の神坂と申しますが」
仕事だ、仕事。
自分の手で夢を掴むんだ。