無口な彼が残業する理由 新装版

応接室のような場所に通されて、

美人なお姉さんが温かいお茶を出してくれた。

しばらくして若い男性が二人やってきた。

私や青木より少し上くらいだろうか。

名刺交換をして、ほんの少しだけ世間話をして、

それから本題に入る。

「へぇ、面白い企画や思いますわ」

聞き慣れないビジネス関西弁は、手応えがわかりにくい。

地域が違えば言葉も違う。

関西で仕事をしたことのない私は、その言葉の裏でどう考えているのか読み取れない。

「でしょう? ですから御社には、是非、このサイトのスポンサーになって頂きたいんです」

「広告はどれくらいの大きさですか?」

「こちらが掲載予定のサイトです。広告はこの部分、あるいはここです」

< 285 / 382 >

この作品をシェア

pagetop