無口な彼が残業する理由 新装版
応接室のような場所に通されて、
美人なお姉さんが温かいお茶を出してくれた。
しばらくして若い男性が二人やってきた。
私や青木より少し上くらいだろうか。
名刺交換をして、ほんの少しだけ世間話をして、
それから本題に入る。
「へぇ、面白い企画や思いますわ」
聞き慣れないビジネス関西弁は、手応えがわかりにくい。
地域が違えば言葉も違う。
関西で仕事をしたことのない私は、その言葉の裏でどう考えているのか読み取れない。
「でしょう? ですから御社には、是非、このサイトのスポンサーになって頂きたいんです」
「広告はどれくらいの大きさですか?」
「こちらが掲載予定のサイトです。広告はこの部分、あるいはここです」