無口な彼が残業する理由 新装版

ボッと音が立つくらいの勢いで顔が赤くなる。

「色っ……うそ、そんな声出してた?」

顔が熱い。

恥ずかしすぎる。

丸山くんのマッサージがあまりにも上手で、

完全に気が抜けてしまっていた。

「なんか、ごめんね。あまりにも気持ちよくて」

「いや、別に」

背後で丸山くんも照れているのがわかる。

こんな恥ずかしい雰囲気にするつもりはなかったのに。

気まずくて次に発する言葉を探していると、先に言葉を見つけたのは丸山くんの方だった。

「あのさ」

「う、うん」

「姿勢」

「姿勢?」

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