無口な彼が残業する理由 新装版
青木は素早く立ち上がって、自分の部屋に戻って行った。
隣でガサゴソ音がして、
「俺、先に行ってるからな」
と襖の向こうから声がした。
「はーい」
と力なく返しておく。
ここまでしといて、何なのよ。
もっとちゃんと考えろって、何なのよ。
私が誤解してるって、何なのよ。
みんなみんな、わけわかんない。
もう、私も含めてバカばっかり。
嫌になる。
私はまた暴れたくなったけど、
もう一つたんこぶを作るのも嫌だから
大人しくお風呂セットを持って浴場に行くことにした。