無口な彼が残業する理由 新装版

初めて呼ばれた名前に、

ドキッとして体が震えた。

それと同時に肩に力がかかり、

強引に声の主の方を向けさせられる。

私、どんな顔してるんだろう。

「丸山くん……」

丸山くんは、いつも通りの無表情だった。

「6年」

「は?」

突然挙げられた年数に、つい間の抜けた声が出る。

そういえば、さっきも6年だとか聞こえたような。

「6年間、あんたのこと、思ってた」

肩を掴む手に力がこもる。

だけど少しだけ震えてる感覚もする。

「6年って……まさか、覚えてたの?」



僕は、先程の方のように明確で大きな目標を立てるのが苦手です。

しかし、細かい目標を立て、実行していくのは得意です。

だから、例えば彼女の企画が成功するようにサポートしたい。




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