無口な彼が残業する理由 新装版
もう、何て言ったらいいんだろう。
青木じゃないけど、こう言うしかない。
「ヘタレ」
私が意地になっていたこととか、
たんこぶまで作ったこととか、
全てがバカバカしくなっちゃった。
愛華ちゃんにまで迷惑かけて、ほんと、笑っちゃうよ。
「ごめん」
自分の恋愛スキルのなさに呆れていたけれど、
丸山くんの方がよっぽどスキルが低かった。
顔は良いのに、バカみたい。
面接で一緒になっただけなのに
私のこと6年も思っていたなんて。
変なの。
だけどそんなところが、なんだかすごく愛おしい。