無口な彼が残業する理由 新装版

もう、何て言ったらいいんだろう。

青木じゃないけど、こう言うしかない。

「ヘタレ」

私が意地になっていたこととか、

たんこぶまで作ったこととか、

全てがバカバカしくなっちゃった。

愛華ちゃんにまで迷惑かけて、ほんと、笑っちゃうよ。

「ごめん」

自分の恋愛スキルのなさに呆れていたけれど、

丸山くんの方がよっぽどスキルが低かった。

顔は良いのに、バカみたい。

面接で一緒になっただけなのに

私のこと6年も思っていたなんて。

変なの。

だけどそんなところが、なんだかすごく愛おしい。

< 345 / 382 >

この作品をシェア

pagetop