無口な彼が残業する理由 新装版
「まったく、理沙先輩も理沙先輩ですよ」
愛華ちゃんの説教は続く。
「仕事が大変なのはわかりますけど、もっと大地先輩に構ってあげてください」
「す、すみません」
「二人とも恋愛が下手すぎます」
私達は顔を見合わせて俯いた。
本当に、迷惑かけて面目無い。
私達を導いていれたお礼に、
仕事ではしっかりサポートさせていただきます……。
「あ、そういえば」
私はふと思い出して顔を上げた。
「歓迎会の時、二人で飲みに行ってたよね?」
それがきっかけで、私は二人の仲を疑い始めたんだ。
「ああ、それは」