無口な彼が残業する理由 新装版
チャラメガネの相性でお馴染みの
我らがインターネット事業部企画課、課長。
課長、課長、と呼んでいるから、たまに名前を忘れそうになる山中課長。
若作りで年齢不詳、しかし40を越えているとバレている彼に、
私と青木は呼び出されていた。
「出張、ご苦労だったな」
どうやら営業に回った返事がポツポツ来ているようだった。
私は緊張して、青木はダルそうに、
「いえ」
と声を上げた。