無口な彼が残業する理由 新装版
私はデスクに戻るなり、猛スピードでこの日の仕事を片付けて、
新サイトのための新しいスポンサー探しに熱中した。
「おい、お前。無理すんなよ」
青木の忠告を
「ううん、多少無理しないといけない時だってあるよ」
と言ってかわす。
「そうか。できることがあったら言えよ」
「ありがとう。頑張るね」
青木にも散々協力してもらったんだもん。
絶対に絶対に、無駄にはしたくない。
京都でも迷惑をかけてしまったし、
丸山くんと仲直りしたからって色ボケしているようにも思われたくない。