無口な彼が残業する理由 新装版

唇が離れると、艶かしい顔をした丸山くんと視線が絡んだ。

彼が再び目を細めたから、

「もう一回」

と言われた気がして素直に従ってしまう。

今までの軽いのとは違う大人のキスに

身体中が甘い悲鳴をあげる。

何? 何なの?

丸山くん、青木のことが好きなんじゃないの?

なのにどうして私にキスするの?

私のことが好きなの?

ううん、丸山くんはいつも青木青木。

だけど叶わないから、きっとその欲求不満を私で解消してるんだ。

疑惑の真相を確めたいけれど、

口を塞がれてしまっては叶わない。

ただ私は丸山くんのことが好きだから

彼とキスしていることにドキドキしたし

単純に嬉しかった。

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