無口な彼が残業する理由 新装版

二人って何?

サカッた顔ってどういうこと?

丸山くん、親密な女の人がいるの?

というか、そもそもこの二人、

暗黙の了解で会話ができるほど仲良かったんだ。

「ちょっと、二人とも」

二人の強い視線が私に刺さる。

なんだか責められているような気分になった。

「何の話してるかわかんないんだけど」

負けじと睨み返せば二人から同時に大きなため息が出た。

「おい、丸山」

丸山くんは視線で応える。

「お前がそういう気でいるなら、俺は遠慮しねーぞ」

丸山くんは無言で目を逸らした。

まるで敗北を認めるようだった。

「いいんだな?」

青木が念を押す。

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