無口な彼が残業する理由 新装版
しばらくして丸山くんが缶を3つ持って戻ってきた。
私にはいつものホットミルクティー。
「ありがと」
青木には丸山くんと同じコーヒー。
「サンキュ」
それぞれ無言で手渡して、クールに一言。
「もう10時だよ」
早く仕事を片付けよう。
そう聞こえた気がした。
「……はい」
私たちは背筋を伸ばし、
大人しく仕事に集中することにした。
丸山くんはやっぱりカッコ良かった。
さりげなく優しくて、キュンとした。
翌日。
困ったことが起こった。
丸山くんとの言い合いのせいなのか何なのかわからないけれど、
青木が豹変した。