無口な彼が残業する理由 新装版

あまりの変貌ぶりに唖然としていると、

背後に人の気配を感じた。

途端に青木の顔が不機嫌になる。

「邪魔すんなよ」

振り向くと、今日もポーカーフェイスの丸山くんだった。

「神坂さん」

丸山くんは青木を華麗にスルー。

「は、はい」

何?

まさか、丸山くんまでおかしくなってないよね?

ただでさえ最近様子がおかしいんだから。

「課長が呼んでる」

……身構えて損した。

「はい」

でも、助かった……。

私は二人の間をすり抜けて課長のもとへと急いだ。

二人はさっきの場所で睨み合いながら何やら話しているようだった。


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