【完】君しかいらない
「愛梨っ、大丈夫か!?もしかして、熱があるのかな」


お兄ちゃんは、家に入るなりあたしのおでこにタッチしてくる。


「ううん…熱はないよ」


「そっかぁ…まだ、気分悪い?」


「少しだけ…」


いつもなら、お兄ちゃんに全部話してる。


だけど、自分がとった行動が一番よかったのかが、わからない。


そこまでする必要なかったのに!なんて言われたら、あたしもう立ち直れないかも…。


「あたし…寝るね」


「う、うん。愛梨の好きなアイス、買ってきたよ?起きたらいつでも食べなよ?」


「うん…ありがと」


あたしはまた朝みたいに、布団にくるまり、お兄ちゃんに背を向けた。



いつもなら、一人でもテレビを見ながらケタケタ笑ってるお兄ちゃんだけど、


今日はずーっと無言で、テレビを見ていた。




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