【完】君しかいらない
トボトボと歩き、フラリと駅へ向かう。


行く場所なんてない…


だけど、自然と足が駅へ向かうんだ。


あたし…どこに行こうとしてるんだろ。


改札の前で、一旦立ちどまる。


電車に乗ったら…無意識のうちに、7番街に行ってしまいそうな、自分が怖い。


…ダメ…引きかえさなくちゃ…。


あたしはクルリと向きを変え、またマンション目指して歩きだす。






そしたら、マンションのエントランスの入り口に…


金髪頭の男の子が、首をうなだれてしゃがんでいた。


――ドキッ!!


びっくりした…。


あたし、一瞬…奏太くんだと思った。


だけど…


こんなところに、いるはずがないよね。


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