【完】君しかいらない
そのまま通りすぎようとしたら、しゃがんでいた金髪頭の子が、


少しだけ視線をあたしの方に向けた。


…あれっ!?


ウソ…なんでぇ?






「奏太くん…?」


そこに座ってたのは、奏太くんで…。


驚いてるあたしの前で、奏太くんがふわりと笑った。


「…おかえり。どこ行ってた?」


「どこって……ていうか、奏太くん…えっ、なんでいるの!?」


「なんでって…愛梨ちゃんに会いたくなって」


「あたしに!?…また、そんなこと言って」


「…それ以外に、ここに来る理由なんか、ないだろ?」


奏太くんはゆっくりと立ちあがると、あたしの方へと歩いてくる。



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