【完】君しかいらない
恋するという気持ち~安元side
~安元side~





実家に戻ってきて、数日が過ぎた。



家には新しい父親と、俺の母親と兄貴がいる。



夏休みだけど、日中は学校や何かの会合に出かけている兄貴。



だから必然的に、昼間は母親とふたりっきりになる時間が多い。



親孝行のために、夏休みの数日だけコッチに戻ってくることにしてたけど、



それが今の俺には、なんだかすげぇ苦痛だ……。








「陽斗、これ好きだったわよね。たくさん食べて?」



昼ごはんに、うどんと山盛りのカキ揚げを持ってきた母親を見て、正直ウンザリ。



揚げモン好きだけどな……さすがに、毎食揚げ物は辛い。



昨日の夜は食いきれないぐらいの山のようなトンカツだったしな……。



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