【完】君しかいらない
相変わらず、春奈の身勝手さにイラだちを覚えつつも、



不思議と今までほど……虚しい気持ちにはならなかった。



それもこれも……



気持ちのベクトルが、



違うところへ向かっているからなのか……。










「ねぇ、陽斗。明日みんなで夕ご飯食べに行くけど、ホントに帰っちゃうの?」



「おー……あっ、電話。ちょっと外出てくる」



俺は鳴りだしたケータイを片手に、



急いで玄関の外に出た。




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