【完】君しかいらない
そしてすぐに電話を耳にあてる。



「安元くん!今日も元気!?風邪ひいたりしてないっ?」



いきなりそれかよ。



半ば呆れつつも、なんだか俺はニヤけていた。



「全然大丈夫。お前は?」



「あたしはいつでも元気だよ!ねぇ、ホントに明日帰ってくるの?」



「おー。明日の18時ぐらいに地元の駅に着くかな……」



「だったら駅で、あたし……待ってようかな。

あっ、なに言ってるんだろ。あたしったら、図々しい!」







電話口で慌てる司の声が聞こえてくる。



声を聞くだけで、表情が浮かぶ。



笑ってる顔を想像してんのに、



なぜか……



花火の夜のキスのあとの、



色気のある表情が、すぐに浮かんでくる。




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