【完】君しかいらない
前を向いて
~愛梨side~



新幹線の中で、奏太くんの香りに包まれる。


…となりの席に奏太くんが座ってるんだけど、



いねむりをしてるあたしは、気がつけば奏太くんの肩に頭を預けてる。



いつもなら、ハッとしてすぐに頭を起こすとこだけど、


なんだか、すごく心地よくて…ずっと、こうしてたい気分だよ。


…奏太くんは、あったかいから……こうやってると、気持ちいいんだ。



あたしが起きてるのに気づいてる?


奏太くんは眠れないのか、ひじ掛けに肘をついて、コーヒーを飲んだり、ケータイを見たりしてる。


それを横目に見ながら、あたしはまた目を閉じた。














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