【完】君しかいらない
そしたらね。


それを見た周りにいた子たちが、


『あの彼、カッコよくない!?

けど一緒にいる子、泣いてる…そっか、振られたんだよ、きっと!』


なんて話してるのが耳に入ってきて、


どちらともなく、吹きだした。







それを見て、女の子たちは驚いてたんだけど、あたしたちは笑いが止まらなくなって。


『俺が愛梨ちゃんに振られっぱなしなのになー』


『えーっ、まだ振ってないもん!』


『マジ?じゃあまだ見込みある?』


『えへへっ』


『ズルいよなー…その笑顔見たら、待たずにはいられねーから』


『だって、奏太くん…優しいから』


『それで好きんなってくれるなら、いくらでも優しくする』


奏太くんはニコニコ笑って、あたしの肩をそっと抱いた。



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